Stage.1

サイクルスポーツ誌でも紹介されましたが、風童がバイキングスを描くにあたり、最初に浮かんだイメージがこの見開きです。

「こいつは多分、誰かが止めるまで死ぬまでクランク回し続けるようなバカなんだろうな」そう思い、こいつの漫画を描いてみたくなったという、記念すべきシーンです♪

スクーターに出前用の実用車が追いつくというのは現実的にはありえない話。あえてツジツマを合わせるならば「スクーターの食い逃げ男がロードバイクのすばるを撒くために脇道に入ったりしてあちこち蛇行してたため、大通りを直線的に追いかけてきた一途が追いつい・・・いっか別にそんな理屈('A`)

Stage.3

一途の親父は描いてていちばん楽しかったキャラでした♪

動かすのが実は大変だった一途と違って、親父のほうは特に深く考えなくても自然に動いてくれるキャラでした。

もしかしたらこの親父が風童の「素」にいちばん近いキャラなのかもしれません。

フトマユばんざい!ヽ(゚∀゚)ノ

Stage.5〜Stage.9

当初は一途と自転車との関わりを、出前を手伝っていた小学生時代のエピソードも絡めた日常の情景の中でじっくり描きたい思いがありましたが、月刊連載ということもあり、編集さんからの「早くレースを描いたほうがいい」というご助言で、一途はロードバイクを手に入れていきなりレースに参戦する展開になりました。

実はこの展開、半分実話で、実際に風童のレースデビューも無計画で唐突なものでした。
初めて手に入れたロードバイクの素晴らしさに「わ〜、オレこれならレースで優勝しちゃうかも♪」なんて本気で思ってしまって、ショップや仲間に誘われるままに、十分な準備もせずにレースデビューしてしまいました。
当然結果は惨憺たるもので、準備不足の怖さ、認識の甘さを思い知らされました。一緒に参加した仲間が帰りの車内で楽しげに話してる中、どれだけ悔しく、孤独で、恥ずかしかったことか・・・

そんな風童の実体験が、一途のレースデビュー編には投影されています。

Stage.10

凱旋のメンバーが初めて登場するStage.10。
実は直前まで、一途のライバルとなる牛乳配達少年が登場するという、全く違う内容のネームでした。

当時、年末進行まっただ中で、翌日からすぐに原稿に着手しなければならないほど押し迫った状況だったのですが、風童の描いたそのネームが良い出来ではなく、何とネームが全ボツになってしまったのです。
必死の思いで1話分45ページのネームを、食事も睡眠もとらず24時間で新たに作り直しました。
結果的にボツになったものよりはるかに良いものができましたが、この作業は何とデビュー以来、風童のネーム作成の最速記録となったのでした!

たった1日で45ページ分の話をゼロから作り直したこの経験は、風童にスピードに対する大きな自信を与えてくれました。
そして最初のネームに全ボツを出して下さった編集さんの決断には本当に感謝しています。
あのネームのままだったら、バイキングスは凱旋のメンバーもクロモリも登場せず、まったく違う漫画になっていたことでしょう・・・

Stage.14

馬場をフィーチャーした異色の回。この回、ネーム段階では、凱旋のメンバーひとりひとりの日常を描いた内容でした。

ところがそれが7人それぞれのエピソードに散らばってしまっていたために、一話を通して何を描きたいのかがボヤけてしまっていました。
そこでいちばんエピソードに奥行きがあった馬場に絞って掘り下げていったわけです。

自転車漫画なのに野球部のエピソードが大半を占めることになり、正直、風童自身も戸惑いながら執筆していたのを覚えています。
しかし結果的に、この話を描いておいたおかげで、最終話で「エース」について馬場が語るシーンに説得力を持たせることができたように思います。

Stage.17

凱旋の夏合宿を描いたStage.17。

凱旋のメンバーが行った特訓や、食事のシーンで出てきたメニュー等は、チームブリヂストン・アンカーのアドバイスによるものです。

つまり、これをマネしていただくと、アンカーの合宿メニューをこなすことに等しくなります!

さあ、あなたも今日からアンカーの一員だ!(笑)

ちなみにネーム段階では、合宿の楽しげな感じを出すために、凱旋が風呂場で大騒ぎするサービスカット(爆)がありましたが、ページ数の都合でカットになりました(爆涙)

Stage.19

Stage.19ですばるが小平良に叩き付ける雑誌の表紙の写真は、サイクルスポーツ誌の岩田編集長が撮って下さった「シマノもてぎロード」を走る風童です。

サイクルスポーツ誌をご覧になった方は覚えておられるかもしれませんね。
あの「風童がシューズを忘れて大失敗の巻」です(汗)

そんだけです。ごめんなさいごめんなさい(TДT)

Stage.20

Stage.20で登場する舞代高校の特訓メニュー名「オペラ座の夜」はロックバンドQUEENのアルバム名です。「デス・オン・トゥー・レッグス」や「シーサイド・ランデヴー」は同アルバムに収録されている曲名です。

ちなみに設定では、小平良はオペラを愛聴していて、本気モードに入るとiPodで「ワルキューレの騎行」を聴きながら「豹変」するというのがありました。

しかし残念ながらそういう演出を効果的に使うタイミングが訪れませんでした。

漫画で音楽を表現するのは難しいです(涙)

Stage.22

Stage.22も苦労した回です。何度作り直しても納得のいくものが作れず、悔しくて泣きながらネームを切っていたのを覚えています。

しかし、ここでStage.10のネームでの経験が風童を救ってくれました。
24時間で45ページの「新作」を作り上げたあの経験のおかげで「大丈夫、頑張れば絶対に何とかなる!」と自分を信じ続けることができたのです。

頑張った経験は、必ず自分を助けてくれる。それを本当に実感した回でした。
バイキングスの中で、最も思い出深い回です。

Stage.26

Stage.26でのこのシーンは、凱旋の日常を描きたかった風童の欲求を多少なりとも満たすことができた、お気に入りのシーンです♪

もしかしたらこういう何げない日常のシーンというのは、それ単体でエピソードとして一話作るよりも、こういう回想のような形でポンっと挿入するのが効果的なやり方なのかもしれません。特に月刊連載では・・・
もちろん作品や作風によりますが・・・

ちなみに編集さんも「これどう見ても一途と照美、付き合ってますよね(笑)」と言って、このシーンを気に入って下さってました(^o^)

Stage.28

涎や鼻水を垂流しながらハンガーノックで朦朧とする桃井。女子キャラをこんだけ不細工にグチャグチャに描いたのは風童自身初めてで、かなり勇気がいりました。
友人からは「月マガであの絵はヤバいだろ」とツッこまれました(汗)

でも読者の方がページをめくった瞬間、ちょっと引くぐらいのインパクトが出せていたらいいなあと思います。

しかし、もっとエグい表現をしまくってる作家さんはいっぱいおられるわけで・・・この程度でビビッてちゃまだまだ甘いですね風童は(>_<;)

というわけで今後はもっとデビル風童を発動して、どんどんエグい表現にも挑戦していこうと思います(笑)